ケーブルテレビのデータ広告とその可能性 – NAB2011

TRA なぜ広告主は広告するのか?彼らはシンプルに商品を売りたいからだ。さらに言えば、なぜ彼らはテレビに出稿するのか?という疑問につながる。クライアントにとって最善のデータはなにかを追求するために4年前に起業した。現在170万世帯のSTBのデータ、インターネットメディアを計測している。10局以上の放送局、大手ブランド40社と契約している。我々のデータを利用すれば、より効果的なメディアプランニングが可能となる。視聴率だけが広告ビジネスのカレンシー(currency=通貨、広告ビジネスの共通指標であることを指す)になっているが、ネットデータも加えるともっと面白いことがわかる。

Q カレンシーだけに頼るなというのはどういうこと?

TRA 顧客はリアルで透明性の高い数字を求めている。

Rentrack 弊社は創業20年の上場企業だ。よく劇場公開売上1位といった数字がメディアに流れるが、その数字を集計しているのが弊社だ。他にも、DVDレンタル、VODダウンロードなどの数字も集計している。STB8,000万台のデータを集計している。Rentrackの数字は、映画ビジネスのカレンシーだ。テレビ広告市場が750億ドル、ダイレクトマーケティング市場が600億ドルだとして、1,300億ドルのマーケティング市場が映像ビジネスにある。私が学生だった35年前は、マーケティングの効果測定は、ターゲットごとに違う基準で行っていた。しかし、現在はユーロなどの通貨がバスケット制に移行したように、マーケティングの効果測定もクロスデータ、クロスカレンシーが必要だ。Rentrackは、8000万ユーザーのデータからクロスな分析が可能。顧客は8000社いる。75局のテレビ局と取引している。テレビ局は5−10%のインベントリーを捨てている。クロスカレンシーを利用すればもっと効果的に広告枠を埋められる。

Q マスデータを個人にまで落とし込めるかが鍵になると思うが

Rentrack 我々のデータは様々なソースで成り立っている。ZIPコードなど。そうしたデータを組み合わせれば、現状からの予測データとして使える。

ニールセン 我々もSTBデータを集計している。問題は、デジタルケーブルの受信世帯のうちケーブルSTBを通じてテレビを見ている家庭は71%しかいないことだ。セットインユース(set in use. 利用中のテレビセット、つまりテレビがついている世帯)が低く、今までの視聴率の概念ではメディアの統計数値が意味のないものになる。STBとアンテナでの直接受信の視聴、インターネットなど視聴形態が多様化しており、それらをクロスに集計できる仕組みが必要だ。また、世代によっては全くケーブルテレビを契約してない人たちがいて、データがとれない層もいる。ローカルテレビ局の視聴率データと組み合わせると、新たなメディアプランニングの必要性が実感できる。ソーシャルメディアが盛んないま、多様なソースが必要。

Kantar Media 弊社は60ヶ国でビジネス展開している。現在のメディア環境は、消費者ファーストで考えなければならない。メディアもテレビ局だけでなく通信事業者、ネット、ケーブルテレビなど競争が激しい。そのためにSTBデータとインターネットパネルからのトラフィックデータからネット消費行動を把握している。2億人の消費行動パターンからどんなチャンネル、CMを見ているかというパターン分析とベンチマークを提供している。

Q こうした技術は意味があるのか?

シアーズ 技術の進化は歓迎する。たくさんある新たなデータの組み合わせのなかから、どう実際の出稿プランに結びつけるかが大事。Kantarの取り組みは面白かった。

MediaBrands どの技術にも詳しくないが。。データを集計するのに、テレビ視聴率との比較は大事だろう。モバイル端末が増え、今後それがテレビ視聴にどんな影響があるのか興味を持っている。

ニールセン 映画はテレビと同じアプローチで効果測定はできない。それと同じで、これからアプリで映像を見る行動が増えると新たなカレンシー技術が導入されるだろう。

Rentrack 我々がなぜVODのデータを集計しているのかといえば、それがケーブルテレビの主要メニューだからだ。彼らはVODを売っているので、そのマーケティングデータが必要なのだ。今後は、ユーザーがクリックしたデータの重要性が増す。衛星放送はそのデータがとれないが、通信事業者はそのデータを集計できる。視聴率以外のデータをクロスで分析。また、テレビ以外のデバイスでの視聴行動データは、マイノリティコンテンツが増えるだろうが、そうしたデータへも配慮したい。

TRA 我々はスーパーや薬局での購買データも集めている。コカコーラのキャンペーン担当者だったら、この18ヶ月でソフトドリンクを購入した人のデータベースが欲しいかもしれない。ローカル広告クライアントには、どの番組を誰が見ているかというデータがよく売れる。

シアーズ デジタルと放送のシナジーはどうしたらでるのか。そうしたシナジー効果がないと視聴率のようにギャランティーを求めたりするだろいう。データが多すぎても理解できない。

TRA 40社が我々のインデクッスを使って、メディアバイイングの意思決定をしている。

Q プライバシーについての考えは?

Kantar Media 我々は名前、住所など個人に結びつくデータは見ていない。

Q ユーザーをターゲティングしていく際の問題点は?

シアーズ 問題はスケーラビリティだ。ブランド企業にとって、昔のようにテレビに出稿するだけではリーチ数が不足している。どうしたらマスのブランディングができるかが問題。

2011年4月12日13時30分 NAB Show 2011 ラスベガスにて
セッション「Set Top Boxes: A Measurement Game Changer?」より
パネラー

Steve Lanzano, TVB
Jeff Boehme, Kantar Media (ニールセンと合併した調査会社)
Pat Dermody, Sears Holdings(百貨店のシアーズ)
Mark Lieberman, TRA, Inc.
Bill Livek, Rentrak (レントラック、STBなどのデータ会社)
Matt Seiler, MediaBrands
Dave Thomas, The Nielsen Company

Kantar Media