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AOL ティム・アームストロングCEO対談 Media Summit New York 2011

Q AOLに移籍したきっかけは?

Armstrong 私はデジタルビジネスの可能性を信じている。タイムワーナーのビュークスCEOにAOLについて何をすべきか?と問われ、ブランドが重要だと答えた。当時、グーグルはタイムワーナーのパートナーだった。AOLは多くのブランドポートフォリオがあり、そこに投資すべきではないかと考えていた。ブランドはシリコンバレーが持っていないものだ。また、広告ビジネスの変化も、AOLにとってチャンスだと考えた。ブランド広告の手法が変化していた。

Q AOLは5000万のページビューがあり、売上の40%はダイヤルアップビジネスがあげており、キャッシュが潤沢だ。そのキャッシュを使って企業を買収する戦略なのか?

Armstrong AOLはこの10年間、大量にキャッシュを使い買収した。しかし、キャッシュを使っても成功に結びつくとは限らない。私は、メディアビジネスから会社を再生しようと考えており、AOLの資産を売却して資金調達する。コンテンツで収益をあげる態勢にしたい。

Q インド市場のオペレーションを変えるという発表をしたが。

Armstrong インドをR&D拠点として考えるのではなく、マーケットとして考えるということだ。900人をレイオフする。そのうち300人はアウトソーシング先に移籍する。また、ハフィントンポストを買収した。さらに、AOLのコアブランドを40に絞り込んだ。AOLは400個URLを持っていて資産が分散していたので、絞り込み作業を続けた。

Q ハフィントンポストを3億5000万ドルで買収した。理由を

Armstrong AOLは400人のコンテンツエンジニアと編集部員がいて、外見はインターネット企業だが、内実はトラディショナルメディア企業だった。ネット企業は、少人数で運営されるべきだ。ハフィントンポストを買収し、アリアナ・ハフィントン氏を編集長に向けることで、ネットメディア的なオペレーションが可能になる。我々の株主の70%は長期投資株主で、彼らとこの2週間対話してきたが、私の戦略を理解してもらってる。

Q アリアナはどう?ニューヨークにやってきた?

Armstrong 先日2時間話した。女性向け、ローカル記事について。ジャーナリズムについてなどを話している。アリアナは、コンテンツに関して第六感が働く。私が会った人のなかで、いちばん働く人の一人だ。

Q ハフィントンポスト以外の全てのコンテンツの責任者になるのか?

Armstrong AOLは3つの部門で成り立っている。ひとつめはハフィントンポストグループで、コンテンツプロパティだ。2番目が、広告などのB2Bビジネス。あまり知られてないが、AOLはグーグルに次ぐ2番目の広告メディア、アドネットワークビジネスの企業だ。パブリッシャーとしてセールスチームもいる。3番目が、コマース&アプリ部門。コマースはまだ売上がゼロだが、成長力はあると思う。また、AOLのユーガットメールもまだ3000万人が使っている。

Q 女性向けという事を強調しているが、AOLを女性向けにリブランディングするのか?

Armstrong 女性は重要なセグメントだ。米国の消費の80%は女性関連だと言われている。女性は、ローカル、教育などにとても影響力がある。ついこの前も講演会で、同じ質問をされた。近いうちに最も影響力のある人は、影響力のある女性というようにタイトルが変わるのではないか。

Q プレミアムコンテンツはどんなもの?

Armstrong Marlo Thomasと組んだのは彼女がまずビジネス的に収益のあがるコンテンツだからだ。2番目に彼女のキュレーション能力だ。彼女は人々から信用されていてブランド力がある。3番目は、検索上位に来るコンテンツということだ。彼女はブーマーズの資産相談などのブランド力がある。

Q ハイレベルのコンテンツ制作はどんな戦略か?Demand Mediaモデル?コンテンツファームモデル?ロークオリティでハイボリュームなものはフェアと感じる?

Armstrong コンテンツファームのプラットフォームをツールと考えるとアンフェアに感じる。我々のプラットフォームは社会的に意義のあるコンテンツを作り出している。たとえば、テッククランチのクランチベースは、ベンチャー企業のデータベースだ。高賃金のエディターが作り、VCからも支持を得ている。コンテンツファームが大量にコンテンツ配信をするので、グーグルが検索のアルゴリズムを変え、彼らのページを検索結果に表示しなくした。ただ物議を醸すかもしれないが、テクノロジーはジャーナリズムに必要だと思う。テクノロジーによって読者がハッピーになる。AOLは昨年3100人のジャーナリストを雇った。

Q ニュースはページビューやクリック率をあげるか?

Armstrong そうは思わない。しかし、ジャーナリズムは世界のニュースを知らしめる役割がある。朝起きていきなりリビアと検索する人はいない。しかしジャーナリズムが世界の重要なニュースを教えてくれる。宗教関連の情報はどこも扱いが減っている。しかし、世界で起こる出来事の大半は宗教が原因だ。宗教記事では広告は売れないかもしれないが、こうしたコンテンツも必要だと思う。

Q ハフィントンポストは無料で記事を集めていると非難されている。

Armstrong このモデルは持続性もありフェアだと考えている。ハフィントンポストは、記事毎に支払いはしていないが、ジャーナリストには支払いをしている。ジャーナリストをたくさん雇っている。いま、多くのジャーナリストから、今朝ニュースショーに出ますと言ったメールがたくさん来る。20代の頃ESPNで働いていたが、映像をネットワーク局に無料で貸していた。プロモーションのためだ。先日MITの教授が現在の米国政府の財政状況についての優れた記事を書いていた。この記事をハフィントンポストで扱うのは人々に知らせるという点でとてもいいことだと思う。

Q ダイヤルアップビジネスについて

Armstrong 1100万人がまだダイヤルアップを利用している。全収入の25-29%がダイヤルアップ収入だ。

Q AOLの再建について。

Armstrong 会議の内容をブログで書くなということを徹底した。11月は深夜ミーティングなど毎日遅くまでミーティングをした。

Q あなたがCEO就任してから、管理職は何%辞めたか?

Armstrong 前の管理職の90%は辞めてもらった。

Q それはタイムワーナーからの分離が原因?それともあなたの経営方針?

Armstrong 3000万ドルのエグゼクティブリテンションボーナスがあった。経営層は業績が悪くても自分の収入はよかった。一時は誰かに退職を告げなければならない日々が続いた。もちろん辛かったが、そのためにこの職を受けたのだと言い聞かせた。

Q 人員カット後の職場のモチベーションは?

Armstrong 結局人間関係を構築するしかない。

Q 成長戦略について

Armstrong 記事のなかに広告が1つだけだとクリック率が2倍になる。昨年はAOLは1つの記事に14個も広告を付けていた。いまは、コンテンツや広告枠もすっきりさせ、売上も伸びている。TOP100ブランド各社とミーティングしており、クライアントも満足していると思う。

Q ハイパーローカルについて。AOLは2009年Patch.comを買収した。

Armstrong Patchはローカル情報を全てオンライン化するというミッションを持っている。900人のジャーナリストがいて793都市の情報を載せている。なにかの申込に市役所に行こうとしてそれが中止になっていたり、そういう情報はなかなか役所の発信能力によって掴みにくいこともある。Patchはタウンミーティングなどローカルコミュニティの情報を載せている。Patchが1000万ユーザーを獲得したら3億ドルの投資も意味がある。

Q ローカル、ジャーナリズムへの影響は?

Armstrong 9000人のブロガーを抱えている。もっとその人数を増やしたい。20人のエンジニアで運営している。Patchは、地方紙の4%のコストで400%の情報を扱っている。ローカルメディアを立ち上げる企業は多いが、運営コストが高すぎる。我々は年100万ドル投資をしているが、運営コストは抑えている。それが成功の秘訣だ。広告はナショナルクライアントには売らない。トヨタなどもいるが。

2011年3月10日 9時 Media Summit New York

Tim Armstrong, CEO,  AOL
Eric Poole、Businessweek

ハイパーターゲティング広告 – CES2011

Q ハイパーターゲティング広告とはなにか、混迷していないか?

–  デモグラフィーに基づく広告から、行動データをいかにカテゴライズするかに変化している。(マイクロソフト)
–  オーディエンスにはプライバシー配慮が大切だ。(AOL)
–  広告を企業メッセージのプロキシではなく、ターゲットに直接届けるのがハイパーターゲティング広告だ。(Google)

Q プライバシーへの配慮は?

–  1)透明性、2)安全性、3)自分で自分のデータを管理できること、この3点をポイントにして運営している。(マイクロソフト)
–  NAI、IABでも基準を策定している(WPP)

Q 細かなカテゴリ分けとプライバシー問題は両立するのか?

–  エリア、コンテンツ嗜好性など、ニッチマーケットが成長市場に代わる。(AOL)
–  エリアなど個人データを教えないと関連情報は集まらず、関連情報を集めるにはある程度個人の行動データを企業に教える必要がある。トレードオフだ。まだ黎明期だが、成長スピードが早い。リソースも増えている。(マイクロソフト)
–  広告クライアントは、プライバシー問題に敏感だ。(WPP)
–  行動データは世帯のデモグラフィーデータより一歩ユーザーに近づいた。しかし、現実は、オフラインのデータは取得できない。(WPP)

Q 効果測定はどうするか?

–  CPA、CPC、CPM、どれがいいのか?(Teradata)
–  行動データを取引する企業はまだ少ない。なので、この2-3年注目されているわりには、伸びていない印象がある。(IPG)
–  いまのところフェイスブックは行動データを取れる一番のメディアだ。(WPP)
–  クライアントは1年前に比べると、広告出稿の手法を拡大している。そのなかにハイパーターゲティング広告も入っている。(WPP)
–  行動データなどユーザーを全て知りたいというニーズ、欲望は増えている。性別、住所だけでは満足しない。リーチ数だけでなく質も問われている。(マイクロソフト)

Q 政府の規制がかかる可能性はあるのか?

–  広告界が成功するには、自主的にルールを作ったほうがよい。(AOL)

パネラー
–  Sun Jen Yung, Managing Director, Headwaters MB
–  James Colborn, Director, Microsoft Advertising
–  Mark, MEC
–  Jeffrey Hochberg, Vice President, Sales, AOL and Advertising.com
–  Brian Monahan, EVP, Managing Partner, IPG Media Lab
–  Aaron Rothman, Senior Product manager, Google
–  James Semenak, Principal Consultant, Teradata

2011年1月5日10時- CES2011 ラスベガス、ネバダ