枯木灘 中上健二

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中上健二。「戦後生まれ初の芥川賞作家」とある。戦後と言われても、もう大方ピンとこないだろう。

自分の家族や出自が題材。山口瞳「血族」など、こうしたテーマは古今東西、人間が惹きつけられ、繰り返し語られるテーマなんだろう。ロビン・ダンバーが、人間が動物と違うのは、「宗教と物語だ」と言っていたが、古来から人間誰しも、自らがどこから来たのか興味があるのだろう。

枯木灘は、物語のなかで現在進行形で起きている家族の日常と、実父が語る先祖の物語がクロスする。文中に、この二つの物語が描かれているのが面白いんだろうか。

文中出て来る「路地」は被差別部落のことだという。