日本のいちばん長い日

ポツダム宣言受託の議論から終戦の玉音放送に至る内閣、宮城、軍で起きていた出来事を時間軸に整理し、同時進行で再現した。

グイグイ引き込まれる。また、国家の方針を決断するドキュメントで、戦争の悲惨さなどを詳述しているわけではないので、それほど暗い気持ちにはならない。むしろ、何千万国民、そして世界相手に、自分個人の意見を述べなければならない、その重さがこの本を読み進むうちに感じられ、襟を正す気持ちになる。

鈴木貫太郎首相

阿南陸相の自刃。

畑中、椎崎中佐の叛乱と、対応に苦慮する

陸軍に比べ、米内海相など海軍の動向はあまり表記はない。

千葉駅前と銀座にある塚本総業ビルの創業者が、出てきた。田中軍司令官の副官塚本清大尉。

著)半藤一利

映画も見た。岡本喜八監督版。阿南陸相役は三船敏郎。
畑中中佐役が黒沢年男。凄い演技。井田中佐は高橋悦史。天本英世、伊藤雄之助などなど。狂気的な演技。何言ってるのか聞き取れない。仁義なき戦いを思い出した。

みんな痩せててギラギラしてる感じはもういまの俳優では出せないんだろう。

 

 

球童 伊良部秀輝伝


偶然BSで放送されていた伊良部秀輝ドキュメンタリーを見て、本まで買ってしまった。

伊良部といえば、自分が米国にいたときにちょうどヤンキースにいて、よくそのニュースを追っていた。なにかの野球雑誌(といより縦長の新聞的なもの)の表紙に、デビッド・コーンなどと4本柱として写ってて、格好いいって思った。

毎日夜11時からテレビでやってるLettermanのThe Tonight Showで、ヤンキースのスタインレナー・オーナーが伊良部のことを「Toad(ヒキガエル)」と言ったことも紹介してた。結構話題になってるなと思ってた。

初登板のときもテレビ見てた。降板してベンチ戻ったあと、またグランドに出てきて帽子を取って観客に挨拶したの覚えてる。

自分がいた20世紀末の大リーグは、留学先の地元ブレーブスが超強かった。グラビン(47)、マダックス(31)、スモルツ(29)がいて、チッパー・ジョーンズ(10)がいた。チッパーは、野茂と新人王を争い、結果取れなかったんだよね。あと、ガララーガとか。あまり打つチームじゃなかったけど、いつも勝ってた。

あとは、マクガイアとソーサのホームラン競争。年間60本とか70本とか、ちょっと考えられない。アトランタの前に2ヶ月ほど過ごしたデンバーにマクガイアが来るというので、見に行ったことがある。1998年か。レフトスタンドで見てんだけど、一打席だけその目の前までボールが飛んできた。そのときはホームランはなかった。でも、ロッキーズの誰か(左バッター)がサイクルヒットを記録したんだよ。

そのデンバーは、ロッキーズの前は大リーグチームがなくて、デンバー・ゼファーズ(Zepher:そよ風)っていう3Aか2Aかの本拠だった。1988年の夏に見に行った。ホームステイ先の家族が連れてってくれたのだ。ゼファーズは「シカゴカブスの下部組織なのよ」って言ってた気がする。スタンドにはそれほど観客はおらず、7回の守備交代時に、大型スクリーンに映る競馬的な遊びがいちばん盛り上がってた。アニメの馬が3頭走るのだが、ゴール付近になると、みんな思い思いに指を1本とか2本立てて、どれが1等になるか叫ぶという遊び。

1998年の夏にヒューストンにいたとき、やはりステイ先の家族にアストロズの試合を見に行った。いまは無くなってしまった世界初の屋根付き球場アストロドーム。なんだか古びた空洞のビルのなかで試合をしてる感じだった。セカンドがビジオ(7)、ファーストがバグウェル(5)。ステイ先の高校生が野球オタクで、「ミスター・バグウェルは打順3番が好きなんだ」って言ってたのを覚えてる。彼は、野球カードやサイン入りバットとかボールとかなんでもコレクションしてた。バグウェルはすごいガニ股で打席に立つ。すげぇ個性的って思った。あと、なんとか・アルーっていう選手がいて、彼が打席にたつと、「サリュー」ってみんなで言う。それと、ハウエルって選手が出ていて、たしかヤクルトと巨人にいたハウエルじゃないかって思った。とにかくグランドと観客席が同じ高さで、選手が身近に感じた球場だった。ステイ先のオバサンも選手を子供みたいに思ってる雰囲気がいい。

ついでのついでに。2011年だったか。シカゴのリグリー・フィールドにカブスとブリュワースを見にいった。そしたら、福留選手が三塁打とホームラン打ったんだね。格好よかった。ピッチャーは、いまドジャースにいるグリンキー。たしか5月か6月の木曜だったと思うけど、昼間に試合やるんだね。それでも観客はいっぱいだった。バックネット裏で100ドルくらいした。隣の兄さんもはしゃいでいて、「奴は日本で有名なの」と話かけてきたから、「日本でいちばんのバッターだ」と答えたら、「だから、大リーグに来てるだろ」としたり顔で返事されて、この上から目線野郎と思った。アメリカの球場はビール売る女の子なんていなくて、むしろオジサンがピーナッツを遠くのお客まで投げるのが名物?なんか微笑ましい。

サンディエゴのクアルコムスタジアムも行ったことある。パドレスとドジャース。投げてたのが、マダックスで感動した。もう太ってたけど。あと、マニー・ラミレスがいたかな。打席に立つと、ブーイングしろっていう看板持ったオジサンが練り歩く。ラミレスは、ドジャースタジアムでも見たよ。試合前でもずっと笑ってる。ドジャースタジアムは球場前にどデカく黒田の看板が飾ってあった。

伊良部といえば、ニュースステーションかなにかだと思うけど、手帳に打者ごとの得意と不得意ゾーンを塗りつぶした手帳を披露してたことがあった。キャスターに「全打者ですか?」と言われて「誰でもやってることだと想いますけど」って返事してた。ストライクゾーンを塗りつぶすのは、黒田も同じようなもの(こちらは穴付きファイル)をテレビで披露してた。あと、大学の研究室に頼んで、投球フォームを撮影し、手を最後まで隠す動きを研究してたのもテレビでやってた。この辺は、158Km最速を出したあたりのことだったかも。

伊良部が無縁仏になってるのがいちばんショックだ。本には妻とは離婚したとあるけど、どうなんだろうか?それで無縁仏はそれと関係あるんだろうか。伊良部と佐伯貴弘が先輩後輩だったのは知らんかった。佐伯はどう思ってるんだろうか。(1995年オールスターは、伊良部が先発で、セの8番は左翼佐伯だ。)

Quote「ボールはコントロールできるけど、メディアはコントロールできない」BSのドキュメンタリーでも笑顔でこく話してる姿が映ってた。

この本読んで、著者のファンになってしまった。年に2ヶ月は海外にいるらしい。自分で見てきたことが書いてあるのが、いちばん読んでいて楽しい。同じ著者のキングカズと長州力本も読んでみよう。著者の興味の方向性が好き。

著)田崎健太

 

 

 

日本の歴史 24 ファシズムへの道

ワイマル共和国」について先月読んだが、それと同じ時代の日本の歴史を学ぶのにこの本を読んでみた。この本も長い間、本棚に眠っていた。

金解禁からの金融恐慌から満州事変、2.26事変、さらにエログロナンセンスにいたるまで多岐な領域が書かれているが、とても読みやすく、面白い。

ファシズムは国家独占資本主義であり、前時代の旧中産階級の厚みがあって出現する、そうだ。

著)大内 力

中公文庫

沈みゆく大国アメリカ

米国人の友達は、風邪になったらオレンジジュースを飲んで治す。ドラッグストアの棚にメラトニンが売っている。

国民皆保険でない米国の状況は少し知ってるけど、もうちょっと知りたくなって読んでみた。第一弾と、第二弾副題<逃げ切れ!日本の治療>の2冊。

オバマの選挙のとき、ヒラリー・クリントンが「病気の人が医者に行けない。そんな国になってしまったんですよ。この国は」って演説してたのを覚えてる。

でも、この本によると、そんなオバマケアが状況を悪化させているらしい。医師はペーパーワークに疲れ、中所得層は病気になっても病院に行けないまま。

儲かったのは保険会社だけという。

地域住民と会費制の診療ネットワークを立ち上げている医師もいるそうだ。

なんか日本医師会を持ち上げてるのが唐突感があった。

著)堤未果

集英社文庫

春宵十話

光文社文庫版が本棚にあったので読んでみた。

昔、一葉舟とか読んだことがある。

知性に制約のない自主性を与えたのはギリシャだけ。ゆえに科学が発達した。知性は理性と同一でなく、理想を含む。

理想は真善美であって、芥川龍之介はそれを「悠久なるものの影」と表現した。

このくにの善行は、少しも打算も入らない行為。物質主義とは違う。

いま大学に入ってくる男性は機械文明ばかり興味をもっている。

これからは機械にできないことを目指せと思う。

テレビ、雑誌、映画の影響が大きい。スポーツ、シネマ、セックスの3つのSがいけない。

学問は頭でなく情緒でする。副交感神経が優位なときは論文が捗る。

著)岡潔

1963年毎日新聞社刊

自由の牢獄 ミヒャエル・エンデ

「郊外の家」がとても印象的。中身がない家。地図からも消されてしまった。

フェルトモヒンク町エメラン通り。。。

「道しるべの伝説」名前を変えて生きる人。ヒエロニムスとインディカヴィア。

「ミスライムのカタコンベ」

どれも不思議な世界で印象に残る話。

ミヒャエル・エンデ

詩とことば

ことばの持つ力について書かれた。これはとてもいい本だ。

詩と散文の違い。

詩は、そのことばで表現した人が、たしかに存在する。でも散文はひとりも存在しないこともある。「白い屋根の家が」の順序で知覚した人が、どこにもいないこともある。(p.44)

しっかり「見る」人が少なくなったからではないか。眼を見開いてしっかり見る。それをおろそかにするとけものになる。(p.84)

詩が書き出される前のことを利用する。呼吸をそこからも、もらいうける。谷川雁について。(p.115)

著)荒川洋治
岩波現代文庫

思考する機械 コンピュータ

コンピュータとは、、「機能の抽象化」である。

「AND」と「OR」と「INVERT」

「すべてのコンピュータは、何ができるか、そして、何ができないかにおいて基本的に等価である」(序文)

「ビットとは、違いを表すための単位の最小のものである。「電気が流れている状態」と「電気が流れていない状態」ということになる。「ビット」では二つの種類を1と0で表すが、これは便宜上の表現であってこの二つは何と表現してもかまわない-「真」と「 偽」と表現しても(中略)自由である。」(思考の基本部品)

「コンピュータチップは、大量の「スイッチ」と「コネクタ」を提供できるテクノロジーであればどんなテクノロジーを使っても作成できる。」(思考の基本部品)

「コンピュータは、入力が少々不完全であっても、完全な出力を生み出せるテクノロジーにもとづいて実装(実現)されなければならない、ということである。そして、どの段階においても入力を規定の状態にまで増幅する機能を有することがデジタルテクノロジーの特色である」(思考の基本部品)

著)ダニエル・ヒリス
訳)倉橋彰
草思社文庫

The Pattern on the stone – the simple ideas that make computers work
W. Daniel HIllis

読む野球 No.4 昭和パ・リーグを読む

福本を、刺せ!

世界一の二番打者 大熊忠義

「翌年のキャンプで大熊が集中的に取り組んだのが、「右目で一塁走者の福本を見て、左目でピッチャーを見る」練習だった。右目に映る福本のスタートが悪いときには、左目でとらえたボールをファールにする。」(p.29)

全編インタビュー。何度も読み返せる雑誌って貴重だ。素晴らしい本。

No.3は野村克也特集だった。この「読む野球」シリーズは大好き。

主婦の友社