読む野球-9回勝負-No.3―野村克也を読む

この本。偶然本屋で見つけた。

とにかく、オリジナルインタビューの量がスゴいので、買う価値あり。

なかでも、遠山、エモヤン、あと藤原選手なんかの話は面白い。

ノムさんは、バッティング練習では、全部ホームランだったらしい。昔の人のほうが、小さいからだを工夫して、ボールを遠くに飛ばす技があったという。なんか、日本人らしい忍者とか武術に通じるのだろうか。

あと、中日特集とダブル特集になっている。そちらも、インタビューがたくさん掲載されてる。

いちばん面白かったのは、杉下茂投手の話。

フォークボールは、無回転だから、落ちるだけじゃなくて、伸びたり、急に球速を増したりするらしい。投げるときに、手のひらが正面から見えないと、杉本流本物のフォークとは言えないという。

杉下さんが認めたフォークボールは、佐々木大魔神と野茂さんのみ。

ということで、とにかくボリューム満点で、いい本。

野村克也に挑んだ13人のサムライたち 橋上秀樹

橋上秀樹。なんとなく知ってるけど、あまり知らない。ヤクルトの城石、野村克也の息子などなど。あまり選手時代の活躍を知らなかった人が、いつ間にかコーチになってる。

そうかスター選手がコーチや監督になるんじゃないんだと、大人になってから気づいた。というか、野球が緻密になって、スター性と作戦を綿密に立てるマネジメントが分離する、そういう時代になったんだろう。

橋上秀樹さんは、野村ヤクルト時代、ベンチで相手チームのサインを盗むことが、野村監督に認められるきっかけだったそうだ。

高校時代、自分たちもよくやっていた。帽子を1、右耳を2、左耳を3、鼻4、あご5、右肩6。。。みたいに番号つけて、相手の監督のブロックサインを数字で読み上げる。横にその数字をノートにつけてる部員がいて、バントやヒットエンドランのときの数字の羅列を見てると、だんだん共通してる箇所がわかってくる。

ブロックサインは、いろいろカラダを触りながら、キーをなる場所を決めて、その次に触ったところが意味を持つ。「右肩を触った次に触ったところに注意」みたいな感じである。だから、なんとなくわかってしまうのである。

森繁和さんの参謀にもあったが、橋上さんも野村監督に先回りしてあらゆる戦略、データを教える役割だったそうだ。スゴい。

楽天1年目に、松本匡史ヘッドコーチが、試合中野村監督から質問されても、答えが返ってくるのが遅すぎて、監督が困っていた、という話が載ってる。

松本といえば、巨人の青手袋、背番号2、早稲田、巨人に入ってから左で打つために、箸も左で使うようにした。。。みたいな挿話を思い出す。ちょっと非力ながら、ホームラン打ったシーンも思い出す。

間違いなく小学生時代のヒーローだった。年間盗塁70個くらいしたんじゃないか。知らない間に、急速に衰え、名前を聞かなくなってしまった。山倉もそうだが。。あの時代の巨人の選手は、なにしてるんだろうか。

そんな松本選手も、緻密な野球へ対応できてなかったのか。

ともかく、この本にでてくる、体力と緻密さの対応。一茂が練習のときは、東京ドームの企業広告のトコまでバンバンホームラン打ってる話とか、あとノムさんについていけなかった選手(苫篠選手とか)の話はとても面白い!

それと、岩倉高校の山口投手が、2年下で東京大会で対戦してたというのも面白かった。岩倉高校が春の甲子園で優勝した(1984年)ときの投手。テレビで見てたの覚えてる。初出場でそのまま優勝した。

橋上さんは安田学園。阿部慎之助の先輩だ。

参謀 森繁和

森繁和といえば、自分がまだ高校生の頃、西武で投げていたのを覚えている。ストッキングは上まであげて、背が高く、なんだか苦しそうな印象がなぜか残ってる。(ストッキングを上まであげて苦しそうに投げてる西武のピッチャーといえば、もう一人、背番号20の杉本投手)

しかし、自分でも知らない間(1988年)に引退していて、気づいたら落合監督の中日でコーチをしていた(2004年から)。

この本を読むと、34歳で引退、スグにコーチ就任、その後も日本ハム、横浜などでコーチをしてたとある。その間、まったく忘れていた。

その後、西武の森というと、背番号19の森慎二。なんか背格好が似ていて、森繁和を思い出していた。

そんな森繁和さんの「参謀」。

とても面白かった。

一番面白かったエピソードは、日本ハムの間柴茂有投手の開幕15連勝のときの話。この連勝はとても記憶に残ってる。

間柴投手は左。右打者に投げる球が、今で言う「真っスラ」で、まともに打つとファール、ヒットゾーンに飛ばそうと思うと、ボテボテの三塁ゴロになってしまったという。

その「真っスラ」、この本によると、間柴投手は、「投げると自然に変化していた」そうだ。とくに意識してたわけではないらしい。

左打者には、スライダーを意識して投げると、萎縮して結構打たれていたという。

なるほどねー。

それと、落合監督になってから、情報統制を守れないコーチは解雇された、という話。なかでも、中日生え抜きの人は、選手時代から新聞、テレビにお世話になってるから、ツイ人情で話をしてしまうらしい。

そこで、気になったのが、鈴木孝政コーチ。鈴木孝政は、背番号29。小学生の時買って貰った「野球入門」にとても球が速く、セーブ王みたいなので載っていて、結構好きだった。ちょっと足あげてから投げるまでカクカクしてたフォームを真似した覚えがある。

しかも、成東高校出身。高3のときに決勝戦で銚子商に負けたんだけど、ドラフト1位。野球校でないのに格好いい。成東高校は、その後押尾投手(ヤクルトに入った)で甲子園行ったんだよなぁ。ちなみに、森さんも一宮町出身ってある。近所で同じ年。

その鈴木孝政さんは、森繁和さんがコーチ就任したとき、一緒にコーチになったんだよ。しかし、一年でいなくなってしまった。その後、高木守道監督のとき二軍監督になったけど、落合GMになって、やっぱり二軍監督を辞任。森さんの言ってたドラゴンズ生え抜きで云々というは、孝政さんを指してるのかもしれん。

とにかく面白い本でした。

書名:参謀
著者:森繁和
出版社:講談社文庫
価格:713円