マスメディアはソーシャルにどう取り組んだらよいか – NAB 2011 –

Social House, Las Vegas

CBSがClickerを1億ドルで買収した。グーグルは、ネクスト・ニュー・ネットワークスを買収、コンテンツ制作に乗り出す。ユーチューブの位置づけがグーグルのなかで変わってきている。ワーナーブラザーススタジオがフェイスブックで映画の配信を始めた。映画とソーシャルメディアという観点から面白い動きだ。ユーザーとのエンゲージメントをソーシャルでどう構築できるか?

TV Guide Digital : TVguide.comは、2,200万ユニークユーザーがいて、iPhone、iPadには350万ユーザーがいる。ネットではテレビ番組、情報を配信している。ソーシャルが情報拡散のエンジンになっている。

Qlipso : コンテンツをフォーマットに関係なく配信できるサービスを提供している。

Yahoo! : テレビがインタラクティブ性を持ってきている。ゲーム、ツイッター、オンデマンド、パンドラ、あらゆる機能がテレビに流れ込んでいる。LG、サムスン、東芝などがたくさんネットTV、スマートTVを出している。

thisMoment 前職では、ケーブルテレビ向けのソーシャルコミュニティ構築をしていた。いまは、ワーナーズラザースのフェイスブック配信、ユーチューブ配信の運営を請け負っている。

Q ソーシャルメディアのいいところは?

TV Guide Digital : いまは、エンターテイメントファンにとってとてもいい時期だ。デバイス、場所にこだわらず好きな作品を楽しめる。ソーシャルテレビはいまバズワードになっている。私はテレビ昔も今もソーシャルだと思う。コミュニケーションを構築するのがテクノロジーによってとても早く、簡単にできることが新しい。しかし、このテクノロジーがメディアにとっての価値向上の切り札ではなく、やはりコンテンツを見てもらうことが今でも重要である。コンテンツのソーシャル・インテグレーションがキーであろう。

Yahoo! : テクノロジー企業は、ユーザーにコミュニケーションツールを提供し、メディアの価値があがるような仕組みを考えるのが仕事だ。見たいと思ったときに適切な番組を届ける仕組み、パーソナル化されたテレビなど。ソーシャル・スクリーンなどのインタクラクティブ性も大事だ。映画をただネット上に置いてもなにも起こらないので、それを如何に拡散させるか、そのための仕組みを重要でないか。

Q テレビとソーシャルの事例

Qlipso : テレビとネットのシームレスな視聴体験がないとダメ。テレビとネットでは技術が違いすぎるので、誰かがその間をブリッジのように結ぶ必要がある。自分がいちばんのユーザーだと思って開発している。

Q リーン・バックとリーン・フォワードの違い

Yahoo! : 4人子供がいる。プレイステーション、iPadなど全てある。彼らは何をするにも集中することはない。テレビ番組見ながらパソコンいじっているのは普通で、ゲームも次々と違うゲームに切り替える。スイッチングすることが楽しいようだ。ゲームとテレビなど、なにかに相関性があるとは思えない。

thisMoment : デモグラフィーによって違うのでないか。若者層は、タブレット、iPhone、パソコンなどたくさんの機器に囲まれ、それをスイッチするの傾向がある。映画お次は音楽などコンテンツも頻繁にチェンジする。年長者は、よりシンプルなメディア体験を好む。しかし、彼らも同じメディアに長時間とどまることはない。デバイスは少ないが、常にスイッチイングする。

TV Guide Digital : 2人娘がいる。彼女たちが色々見るのは、親がお金を払っているからだ。彼女たちは、私がタイムワーナーケーブルの料金をいくら負担しているのを全く意識していない。

Q ブランドはどうCGMを活用すべきか?

thisMoment : ブランドもメディアもこの社会環境に合わせるように自らを変えなければならない。ブランドは、今までメディアを通じてユーザーに対し価値を生み出そうとしてきた。ツイッターやフェイスブック上でもブランド価値を作る必要がある。ユーチューブがパートナーチャンネルを始めたとき、ユーチューブで画像配信を始めたブランド企業がいる。最初、ユーチューブは映像なのになぜ?と誰もが思っていた。しかし、製造過程などの写真はユーザーか人気が出た。テレビドラマもBehind the Sceneは人気がある。ソーシャルメディアを活用すれば、メディアは自分の資産を再活用できる。

Yahoo! : CGMのサイトを利用すれば、視聴者への価値提供にもなり、ブランドにとってもグローバルに映像を配信できる。ヤフーは日本で最大のサイトになっている。メディア、ブランドのゴールはユーザーの支持だろう。タイ、ブラジル、インドなど新興国からアクセスが増えれば、ビジネスが可能になる。広告収益はバカにならない。

Qlipso : メディアビジネスは、広告、サブスクリプション、オンデマンドなどの種類があり、そこにシオグラフィーが加わる。ツイッターでの会話をいかにマネタイズできるか?テレビ局に取って課題だ。

thisMoment : ツイッター、フェイスブックやブランドに如何に収益、価値をもたらすか?コンテンツがeコマースなどでテレビ局に収益をもたらしたのと同じ貢献ができるのだろうか。

Qlipso : コンテンツの所有権がどう変わるか。コンテンツがデバイスを移動する。テレビ番組を購買するとき、ユーザーはどこからでもアクセスしたがるだろう。

TV Guide Digital : エコシステム、テレビ局、ケーブルテレビ、デバイスメーカーの保てるか?我々はエンターテイメント環境をシンプルに提供することに注力している。CBSが、CBSツイートウィークをした。プロデューサー、俳優、脚本家などがツイートするお祭りで、ソーシャルとの関わりを強めたイベントではないか。

2011年4月13日水曜 4時30分 NAB Show 2011 ラスベガス

Social Media 2.0 – Understanding & Engaging Your Community

Warren Lee, Canaan Partners
Vince Broady, thisMoment
Jon Goldman, Qlipso/Veoh
Russ Schafer, Yahoo! Inc.
Christy Tanner, TV Guide Digital

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