メディアとテクノロジーは切っても切れない関係であり、常に最新のテクノロジーを取り入れ、発展してきたのがメディアである。
では、いまメディアが取り込むべき最新のテクノロジーはどんなジャンルのものがあるだろうか。たとえば、人工知能を利用し記事生成を自動で行う。英国Press Associationは、2017年から人工知能が書いたニュースを配信している。毎月30,000本の記事配信を目指している。
また、2015年から決算短信記事の生成に人工知能を導入しているAP通信は、いまでは3,000社以上の記事を人工知能で自動生成している。こうしたストレートニュース記事を機械が行うことにより、人間の記者は労働時間の20%を自由に使えることになり、より複雑で深遠な調査報道に取り組めるようになっているという。
次に、コンテンツ配信領域におけるテクノロジーの導入について考えてみよう。機械だけでなく、大量に生み出されるインターネット上のニュースは、どのように流通するのがいちばん効率的なのか。
2016年に、FacebookがメッセンジャーにBot機能を追加してから、New York TimesもWashington Postといった米国の新聞社は、このサービスこそが最先端だとばかり力を入れている。ユーザー嗜好に合ったニュースがメッセンジャー届けている。
Facebookメッセンジャーの月間アクティブユーザーは12億人。スマホの普及で、コンテンツやニュースより、友人同士のコミュニケーションの方が消費時間が多い。メディアはこうしたコミュニケーションツールに埋め込まれていく。ただ、読者からみれば、配信される記事が最適化され、話しかけると、人工知能が自動応答してくれるチャットボットサービスは、メディアにもインタラクティブ性をもたらすだろう。
スタートアップ企業は、もっと革新的である。中国のBytedance社は、ニュースアグリゲーションサイトToutiau(今日頭条)を運営する。Toutiauは、2012年にサービス開始、1日のアクティブユーザー数が1億人を超えるとされる。Toutiauは、基本的にアルゴリズムがウェブのニュースを集め、配信する。Toutiauはすでに30億ドル以上の投資を受け、そのバリュエーションは200億ドル以上と言われている。
スマートフォン向けのニュース配信アプリである日本の「スマートニュース」も人工知能を取り入れていることで有名である。インターネット上のニュースアグリゲーションに人工知能を利用するほか、広告や記事のファクトチェックにも人工知能を利用する。
また、日本のスタートアップ「Spectee」社は人工知能を利用し、SNS上の画像や動画をいち早く取得、メディアに配信する事業を行なっている。民放キー局を始め、海外を含め100社以上と取引があるという。SNS上に一般人からアップされる災害や事故の画像、映像を自動収集しメディアに配信することで、災害などの拡大を防げるのもメリットである。
このようにテクノロジーを取り込んだメディアの動き、パブテックによって、コンテンツ制作から流通まで、効率化やスピード化が図られている。インターネット人口は、まだ世界人口の半分である。情報大爆発な時代はまだまだ続く。したがって、こうしたパブテックの役割はこれからも重要といえよう。
http://policyoptions.irpp.org/magazines/february-2018/artificial-intelligence-and-journalism/
20%労働時間が自由に(Marconi)

Spectee社長インタビュー(動画検索に)
インターネット人口(38億人)

