Bright Box – カードライバーのプラットフォーム

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iTunesがレコードメーカーを横断したプラットフォームを作ってから、世間はその消費者行動データの価値に気づいた。今や、どの業界のメーカーもB2Cプラットフォームを作りたがる時代である。かつてのように、少しだけグレードアップした新製品を売り続けるだけが、消費者との関係構築の手法ではない。同じ製品でも長く使ってくれる方がいい。

先日、ビッグサイトで開催された「コネクテッド・カーEXPO」に面白い企業がいた。スイス発の「Bright Box」社は、スマートフォンからクルマのドア開閉、エアコン調整などができるソフトウェアをカーメーカーに提供する。もちろん、ガソリン消費量、走行距離などのデータも集められる。つまり、同社の技術を使えば、簡単にドライバーのドライビングデータがわかる。同社のサービスを導入したカーメーカーは、サブスクリプションサービスとして消費者に提供する。

Ivan Mishanin氏
Ivan Mishanin氏

創業者のIvan Mishanin氏はカーディーラーのシステム開発出身。5年前にコネクテッドカー分野に成長性を見出し5年前に創業した。最初の取引相手は韓国のKIA。今では8社と取引しているという。Mishanin氏は言う。「カーメーカーは、消費者との付き合いがあまりうまくない」ドアの開閉やエアコンといった何気ない行動も、Bright Box社のコネクテッド・カーサービスを利用してもらえれば、データとして集積できる。そこから、消費者行動を読み取り、点検、新車発売のお知らせなどマーケティングに利用できる。こうしたコンサルティング業務が、同社ビジネスで有望な分野であろう。

Bright Box社は、まだ日本メーカーとは取引できていないと言う。クルマ市場も、メーカー主導から第3者のプラットフォームが消費者に提供され、成長していくのか、注目である。

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