ネットフリックス (Netflix) とは(2011年第3四半期)

■■ 2011年第3四半期決算資料より、2011年10月24日

■ 価格とサービスについて

– 1)ストリーミングのみ7.99ドル、2)DVDのみ7.99ドル、3)DVD+ストリーミング15.98ドル
– 新規会員の7%が、15.98ドルのハイブリッドサービスを利用。
– ストリーミングのみの会員でDVDサービスも申し込んでいる人は、半分以下。
– 将来は、ストリーミングをメインに提供したい。
– 長期的にはストリーミングが主流になるが、その移行期を早まった。
– また、ストリーミングサービスは、DVDよりコスト増になることの説明が不足していて、ユーザーから値上げが強欲だと捉えられた。

■ 2011年第3四半期のビジネス

– ストリーミング会員は2,140万。DVD会員は1,390万件。
– 米国の会員数は、2,380万件。
– 前年比470万件。20%増。
– 新規会員獲得コストは$15。前年同期より24%減少。
– 米国市場売上は、7億9900万ドル。前年同期44%増。
– 営業利益は、1億2000万ドル。営業原価85%。DVD宅配量の減少がコスト源につながった。

■ 2011年第4四半期の見通し

– DVD会員の大幅減少を見込む
– ゲームレンタルの開始はまだ結論をだしていない
– DVDレンタルの7.99ドルという価格は競合より20%も安い
– ストリーミングサービスの利用時間は前年より3倍増えた。毎週増え続けている。
– ストリーミングサービスのコストは、92%。
– コストは、売上-(COGS+マーケティング費用)、グローバルG&Aと研究開発費は含まれない
– 2012年度コンテンツ取得費用は、2011年の2倍の計画。HBOに匹敵するくらいのコンテンツ費用となる。

■ 国内コンテンツに関して

– DreamWorks Animation、Open Road、The CW、AMC
– 他にも、Relatively、Lionsgate、Paramaount、Sony、Miramax、MGM、Universal、Warner Bros.の映画はストリーミングで見られる。
– ジョニー・デップのThe Rum Diariesと、The Immortalsは、ペイTV放送と同時期にストリーミングで見られる。
– 3,800タイトルのテレビドラマも見られる。
– 5大ネットワークのトラマとケーブルチャンネルの95%のドラマを提供している。
– Mad Men (Lionsgate)、Breaking Bad(Sony Pictures Television)、ABC、NBC、FOX、CBS、Viacom Media Networks、Discovery Communications、PBS、Sony Pictures Television。
– 加入者は、オスカー受賞作よりも、リアリティショウを見ている。Pawn Stars

■ 競合に関して

– Netflixの全ストリーミングの6%がStarz利用。
– Amazon Primeでも提供されているコンテンツの利用者は2%。
– Hulu Plusは、スポーツやニュースと同じようにNetflixにとって補完関係にある。Hulu Plusは、Netflixが配信していないSNLなどの最新テレビ番組を配信している。

■ 映像と音楽の配信ビジネスの違い – 局による独占 –

– Pandora、Rhapsody、Spotify、iTunes、Amazonなどネット配信事業者は、ラジオ局が音楽の独占配信権を保有しているわけではないので、ほぼ全楽曲を揃えられる。
– テレビは、長い間テレビ局が番組の独占放送権を有してきた。
– オンライン配信になってもその慣習は続いている。
– HBOは、Universalの映画独占放送権をHBO GOの配信権含め保有。
– Netflixは、DreamWorks AnimationとRelativelyの独占配信権を保有。
– HBOが権利を持つDeadwoodをNetflixは配信できない。なぜなら、HBOが独占しているから。
– そのため、Epixと提携するなど、ペイチャンネルと提携し放送とオンライン配信を役割分担しながら、提供作品を増やす。

■ ケーブルテレビとの比較

– オンデマンドサービスなので、カスタマイズされたインタフェースが可能
– パーソナライズされている。好きな番組を見つけやすい。
– インターネットのイノベーションスピードで改善される。ケーブルテレビは、セットトップボックスのようなハードウェアの改良ペースでしかサービス改善されない。
– 衛星放送かケーブルテレビ、という選択肢ではなく、もっとユーザーエクスペリエンスを上げれば、NetflixとHuluを両方申し込むようになる。

■ 海外市場について

– 2012年1Qから、イギリス、アイルランドでサービスを開始する。
– サービス開始のコスト増により、グローバルビジネス部門は赤字になる。
– 米国内の利益だけで、海外ビジネス展開のコストは賄えない。
– 海外ビジネスが黒字になるまで、これ以上新市場には進出しない。
– カナダ市場は、1年で普及率10%を超えた。

(カナダ)
– カナダは100万件だが、利益はまだ少ない。
– 4Qは、コンテンツ取得への投資を増やし、True Grit、Black SwanをペイTV放送と同じ時期に配信する。
– カナダで利益をあげるのは、2012年第3四半期、サービス開始から2年後となる。

(中南米)
– 2011年9月、中南米43ヶ国でサービスを開始した。
– 中南米は、カナダより4倍もブロードバンドユーザーがいるので潜在的に大きな市場だ。
– Android端末向けサービスも開始。Xbox、iOSも直近に開始。

(イギリス)
– イギリス市場は2600万世帯。うち、2000万世帯がブロードバンドを利用、ゲーム機保有率も高い。
– アメリカでは多チャンネル普及率は90%だが、イギリスは60%。
– カナダと同じく、オンラインの海賊版被害が少なく、中南米と違ってクレジットカードが普及している。
– カナダのISP事業者と違って、ネット利用の上限を設定しておらず、BBCのiPlayerや4oDでオンライン配信に慣れている。
– Sky Moviesが、アメリカの6大メジャースタジオのペイテレビ放送権を独占している。
– 月額16ポンドで、VirginやSkyを通じ放送している。利用者は450万件。
– また、BBCの視聴料は月額12ポンド。
– イギリスのDVD宅配事業者は、Lovefilmで、会員100万件。月額10ポンド。ストリーミングサービスも少々。
– 通常、サービス開始から2年で黒字化を目指すが、イギリス市場はもう少し時間がかかるだろう。
– ロックメディア:イギリスのオンライン配信についても参照

■ 競合となるTV Everywhere

– Netflixの競合は、ケーブルチャンネルのコンテンツのオンライン配信である。
– 1つは、DishOnlineやComcast Xfinityのようなオペレーター側の配信サービス
– もう1つは、HBO GOやWatchESPNのようなチャンネル側のサービスである。
– NetflixにはEPGが無いので、Xfinityのようなサービスが普及すると強力な競合となる。

■ Facebookとの連携

– カナダと中南米の会員は、facebookアカウントでNetflixにログインできるようになった。先日のFacebook f8カンフェレンスで発表。
– アメリカでは、1980年代に制定されたVideo Privacy Protection Act(VPPA)により、視聴履歴を共有することは禁じられているので、こうしたサービスはできない。
– ただ、現在この規制を緩和する法案を議院が提出している。H.R.2471

■ キッズマーケット

– 子供は同じコンテンツを何回も繰り返して見る。
– 子供は、番組をタイトルではなく、登場キャラクターの好みで選ぶ。
– そこで、児童用のインターフェースを開発。Just for Kidsを始めた。
– 現在は、パソコン(Mac含む)のみで可能だが、WiiやiPadでも近い将来開始する。

■ キャッシュフロー

– 2011年当初から、計上する13億4000万ドル資産が増えた。
– 2011年3Qは、FCFが1,380万ドル増えた。前年同期で77%増加。
– しかし、営業利益は6200万ドルに終わった。
– これは、中南米エリアでのサービス開始の支払いが影響した。今四半期での支払いサイト。
– また、コンテンツ獲得費用として2,200万ドルを計上。
– 今後2-3四半期は、コンテンツ獲得の支払いがあり、FCFは利益とリンクしない。
– コンテンツは、支払い終了分は資産計上し、未払い分は負債として計上。
– 2011年3Qに、平均単価218ドルで、18万2千株を買い戻した。
– 2007年からの株価戻しの単価は45ドル。
– 今期のキャッシュは、3億6600万ドル。
– 2012年1Qの海外事業部門は赤字を予想。

■ 業績サマリー

(アメリカ)
– ストリーミング会員数 2,150万、売上4億7700万ドル、利益4200万ドル
– 宅配DVD 会員数1,130万、売上3億6800万ドル、利益1億9200万ドル

(海外)
– 会員数200万、売上3000万ドル、損失6000万

 

■■ネットフリックス、2010年度アニュアルレポートから

– DVD取得費用 2億6780万ドル
– DVD郵送費 7870万ドル ー> 9.7%郵送会員が増えた
– 機器メーカー等への販促費 3,360万ドル
– ユーザーのお試し無料期間のコストはマーケティング費として計上
– メーカーとの契約は1−3年単位
– ハリウッド映画の配信権は固定以外で契約。12億ドル
– 月間4.71ドルがコンテンツ取得コスト
– 450種類以上の機種で視聴可能
– 配信タイトル数は不明。20,000タイトルまで訴求した広告が過去にあった模様。
– 配信タイトルは、このサイト(Netflix Instant Watch Tracker)で確認できる。
– 2011年6-9月は、会員が100万件減少と予想
– 宅配サービス月額8ドル、ストリーミング月額8ドル。
– DVD宅配サービス事業を分離。Qwiksterブランドで運営。ストリーミング事業をメインに。分離を発表したブログはこちら

■ ネットフリックス?(getnetflix.com)のTVCM (2011年4月13日 ラスベガス)

■ ネットフリックスのプリペイドカード

■ ネットフリックスをスマートテレビから見る

■ ネットフリックスの新着コンテンツページ。それほど充実していない。

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■ RedBox。マクドナルドやセブンイレブンに置いてあるDVDレンタルボックス。映画1泊1ドル、ゲーム2ドル。

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