HBO: アプリなどインターネット展開は、我々のコンテンツ力を強化する。今までで最大の投資をコンテンツにしている。
ESPN: Sports Centerアプリは、視聴者の滞在時間が増え、他のコンテンツの消費も増える。ESPNにとっての良いファンになってくれる。メディアの消費時間な、ゼロサムゲームではなく、まだ消費時間は増え続けている。5年前、アメリカ人は1日平均8時間30分メディアを消費していた。今日、11時間30分に増えている。多様なサービスを視聴者に提供することは、コンテンツのパワーを増す。イノベーションがコンテンツにも必要だ。ESPNのミッッションは、スポーツファンのニーズを満たすこと。
ESPN: アプリは、視聴者に番組に参加する機会を与えている。スポーツ中継は、ラジオがメインだった頃からソーシャル・コンテンツだった。我々は、番組にMark CubanやLeBron Jamesのツイートを取り込む試みをしている。それが、視聴者、アスリートがこの瞬間なにを考えているのかということを集約する表現となっている。
HBO: HBO GOは、6,000時間分のコンテンツを提供している。全てのドラマの全ての回が見られる。加入者はHBO GOを見るのに追加料金は不要だ。ケーブルオペレータにも会員にも無料のサービスだ。今回の意思決定で一番重要な点は、DVDビジネスと競合するにも関わらず、全てのコンテンツをHBO GOで視聴可能にしたという点だ。HBO GOのほうが、コンテンツの付加価値が増すと考えたからだ。2011年4月にアプリを公開してから、2ヶ月で270万回ダウンロードされた。これは、ユーザーが、自分の好きなコンテンツを好きなときに、好きな機器で見たいというニーズを持っていたということだろう。現在のビジネス環境で、企業としていちばん重要な能力はコンテンツ制作力だ。地上波ネットワークのコンテンツ制作力とテクノロジー・プラットフォームのマッチングは現在いちばん強力なタッグになるのではないか。なかでも、ゲームコンテンツ的な双方向性はこれからの表現として可能性がある。HBO GOでは、キャラクターの説明画面を表示することができる。我々は新しい表現方法に挑戦し続けなければならない。なぜなら、消費者はセカンド・スクリーン体験を求めている。それは、テレビをもう1台欲しいという意味ではなく、もっと融合的なものだ。(参考: HBO GOのまとめ)
Powell: テレビの発展について
Samsung: プロセッサの発展が、機器のスマート化を促進した。次の発展は、テレビ、タブレット、パソコン、ケータイ機器間の連携をシームレスに進めることだろう。それには、クラウド的なサービスが必要だ。消費者は、自分の持っている機器からコンテンツに自由にアクセスしたい。サムスンのスマートテレビはいま4世代めだ。2008年に発売された最初のスマートテレビは、テキストが画面に流れるだけだった。我々が驚いたのは、ユーザーの30%が郵便番号を入れて天気予報を自分のエリアにカスタマイズしたことだ。そうしたユーザーの反応が、スマートテレビの可能性を広げてくれた。
ESPN: 我々はサムスンと提携して、’Sports Center’アプリを開発した。
Samsung: スマートテレビのアプリは、スマートフォンアプリをそのまま移管しても上手くいなかない。消費者が求めるのは、スマートテレビ用にデザインされた視聴体験を豊かにするアプリだ。我々は新たなアイデアをユーザーから学び、コンテンツ・パートナーから学び、それをスマートテレビに取り込んでいきたいと考えている。
HBO: HBO GOのいいところは、何回でも繰り返し見られることだ。
Powell: ウィジェットが表示されるテレビを家電メーカーが販売している。テレビにインターネットが接続されるのを、ケーブルテレビにとって脅威だとよく言われているが。
Samsung: 我々にとって必要なのは、消費者が何を望んでいるかを把握し、それに応えることだ。我々は年間4,000万台のテレビ、2億台のケータイを販売している。それが我々のビジネス。我々はパイプ(流通)でもない、コンテンツ制作ビジネスでもない。我々のビジネスは、消費者が望むことを実現すること。いま、消費者は、新しい方法でコンテンツを楽しむことを望んでいる。消費者は自分でコンテンツをコントロールし、検索・発見したいと思っている。我々はそれを実現して届けなければならない。機器へのアクセスの仕方も変化している。今回、見慣れたテレビリモコンの裏にQWRTYキーボードを付けたリモコンを発表した。これで、ナビゲート、ゲーム、インターネットアクセスが簡単になる。
2011年6月16日 9:00-
シカゴ、Cable Show
Michael Powell, Chairman, NCTA
Tim Baxter, Samsung Electronics America
Sean Bratches, ESPN
Eric Kessler, HBO