ニコニコ動画 杉本誠司社長 講演メモ -メディアビジネス研究会-

[まとめ]

・ コミュニティに、参加することで自分を確認する。
・ 買う、投稿する、コメントする、などが全てコミュニティに参加する活動になる。
・ 運営側は、その帰属行動の途中で、運営費分をいただく仕掛けを考える。コマースアフィリエイト、ニコニ広告、プレミアムサービスへの有料課金

 放送は一方向・完成品・メッセージ性を求められる。通信、ネットの場は、リクエストを出し、情報が帰ってきて成立するコミュニケーション。だから、送り手は半製品、ユルいコンテンツが求められる。 

・ コミュニティの変貌

– コミュニケーションを体感する場。映像配信でなく、SNS、コミュニティを提供

– 非同期コミュニケーション。いるんだけど、いない。

– 「深く語り合わない」「ユルい」 ⇒ コミュニケーションが簡素化している。

– ユーザーは、その場に大勢の人が居たことを体験したい。実際は居なくてもよい。 ⇒ ログを残しておけば、少ない参加人数でもたくさん人がいることを演出できる。

– ニコニコ動画ユーザーは、ニコ動で他ユーザー(又はコメント)と接触することにより、自分の存在を確認するのが、究極の目的

コミュニティのビジネスモデル

– 動画の下に貼るアフィリエイト・コマース。「高い場所から降りれないネコ」の動画に「ハシゴ車のオモチャ」の販売サイト。そのココロは、「このハシゴ車があれば降りれるじゃない」

– ハシゴ車を貼った人は、ハシゴ車が売りたいのではなく、「ハシゴ車」で助けたいっという 文脈が他のユーザーに支持されれば、満足する

– マイクの販売。今までに50,000人がクリック。4,500人が購買。

– 映像による高揚感。買うことが本質な欲望ではなく、買うことにより、コミュニティに参加・帰属している気分になる。

・ 放送と通信、ニコ動の違い

– 放送は完成品を流す伝送路。一方向。メッセージ性が求められる。

– 通信は、リクエスト出したり、電話かけたり、やり取りが必要。インタラクティブで完成。半製品。

– 通信の世界で、放送に使われる一方向コミュニケーションの完成品を流しても、本能的に伝送路の半分しか使ってない気がしてしまう。

・ データ

– 無料会員 1,461万人。有料会員 55万人。モバイル434万人。男性68%。20代71%。30代19%。10代増加。

– 月間6,070万PV、37分/日、279万/日

– ピークタイムで、同時視聴10万人

2009年11月13日発表の決算説明会資料 21ページからがニコニコ動画

・ ニコ生

– 同時10,000人まで。

– コミュニティに参加する」から「発信する」に変質

– 映像の質は低下するが、付加価値は工場している

– 月額500円のプレミアム会員だけ可能。視聴者1,000人まで。

– 98万番組、19,870人が発信。1,500万回視聴。視聴者数46万人。

・ 著作権

– 著作権はコストでなくプロフィット。

– フィンガープリントで、CGMを指紋照合。

– 広告収益をシェアなどのオプションを選択

・ ニコ動のミッション

– ユーザーとユーザー、ユーザーと誰か、コミュニティの利害関係の合意を見つけるのが仕事

2009年12月9日 麹町

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