メディア系ベンチャーキャピタルの投資姿勢 – Media Summit New York 2009 –

・注目の投資分野は、動画配信、電子書籍
・インターネット接触率はメディア全体の30%に対し、広告市場のシェアは8%。このギャップがビジネスチャンス

1968124Media, Entertainment, Technology and Money: Funds, Mergers, Acquisitions, Takeovers and Targets
2009.03.19 10:45 AM
– Richard J. Bressler, Director, Thomas H. Lee Partners, Jonathan Miller, co-founder,  Velocity Investment Group
– Robert C. Raciti, Ph.D., SVP, Strategist, GE Capital
– Imran Khan, Managing Director, J.P. Morgan
– Tuna N. Amobi, Director, Standard & Poor’s

■ 市場見通し

– 広告市場は非常に厳しい。前年同期比ベースの数字が下げ止まらない。ローカル広告、ナショナル広告、双方悪い。テレビ視聴も低下している。しかし、動画視聴全体の数字は増加した。コンテンツ需要は根強いので、今後は回復に向かうだろう。(Thomas H. Lee Partners)
1968124– 大手広告クライアントは、現状出稿するか様子見状態だ。その間にレガシー・メディアは倒産するところも出てくるだろう (GE Capital)
– オンライン広告は広告全体の中で8%を占めるに過ぎない。またEコマースは、小売店市場で4%だ。デジタル・マーケット・プレイスは、まだまだ成長余力がある。コンテンツ制作、- 流通のコストもデジタル技術で低下した。市場拡大はこれからも続く。(J.P. Morgan)
– 出資にはいくつかの段階がある。アーリーステージでは、イノベーティブかどうかを判断、その後はマネジメント・チームなどを重要視する。この不況下で、投資ファンドは、流動性を重視している。キャッシュを生まない企業からは資金を引き揚げることも考えられる。また、政府の景気浮揚政策にも注意を払っている。 (Velocity)

■ 興味ある投資分野

– 昨年度は13社に投資した。普段より多い。我々は、オンライン動画配信、デジタル・パブリッシングに注目している。先日UBSのランチ会に呼ばれたが、ランチが終わるまでにダウ平均が史上最高にダウンした。次の日東京に飛んだだが、その日は日経平均が史上最悪に暴落した日だった。現在はそれだけ株価の動きが読みにくい。(Velocity)
– 第2次大戦後、企業借入市場全体の60%の資金を銀行が用意した。現在は20%にしか貸出を行えていない。資金を市場に行き渡らせるために、政府の施策が重要だ。(J.P. Morgan)
– オンライン広告市場は全体の8%だが、メディア接触時間でオンラインメディアは30%弱になっている。滞在時間と広告収入のギャップ縮小はこれから解消されるだろう。(GE Capital)
1968124– 検索広告市場は、広告とユーザーがいて成立する。しかし、オンラインメディアは、分散化する特性を持つ。グーグルが行動ターゲティング広告に力を入れているのは理解できる。分散化するオンラインでは、ニュースのアグリゲーションが難しい。だから新聞社の経営が悪化している。テレビ、新聞などマスメディアはどうしたら広告を見てもらえるか?が課題だ。(J.P. Morgan)
– 自分が新商品のマーケターだったら、まずオンラインメディアを選ぶだろう。ある程度知名度がある商品担当だったらマスメディアでブランドの浸透を図る。 (Velocity)
– モバイルなどよりも家電分野に興味がある。(GE Capital)
– 投資を促進するためにキャッシュに課税するなど税制も必要だ。(Thomas H. Lee Partners)

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