FCC ゲナコウスキ委員長 講演 NAB 2011

Chairman Genakowski for ready

■スマートフォン、タブレット、モバイルブロードバンドの拡大

– 技術がどれくらい放送と我々の経済に変化を促しただろうか。
– コミュニケーションツールの変化が、周波数政策もアップデートを必要としてきた。
– 自発的なインセンティブオークションが必要だ。
– 自由な市場の法則に従い、周波数への需要を満たす必要がある。
– 私はこの施策を推進に、国のために役立ちたい。
– 私は、以前放送ビジネスに携わっていた。マイアミ、アトランタ、ダラス、ボストン
– 昔のTV Everywhereは、寝室、台所、居間にTVがあることだった。今の3スクリーンは、パソコン、モバイル、テレビで見るTVという意味だ。
– 全てのスクリーンがブロードバンドでつながれている。
– 多くのアメリカ人は、よりインターネットをして過ごしている。その多くは映像を見ている。
– スマートフォンの販売台数は、パソコンを上回っている。パソコンは、机に上に必ずある。スマートフォンはそれより多いのだ。
– 2500万人のアメリカ人がスマートフォンで映像を見ている。1年間で41%も増えた。
– ラジオも聴取者が増えている。
– そして、いま第4のスクリーンであるタブレットが普及しつつある。
– 我々はマルチプラットフォームワールドに生きている。
– そして、私はその新たな世界が放送業界に試練を与えていることを理解している。
– 分散化する視聴者、聴取者、売上の減少
– 放送事業者には、このマルチプラットフォームブロードバンドワールドで、新たなチャンスを掴んで欲しい。
– 視聴者がどこにいても、新たなビジネスモデルとテクノロジーで、捕まえる。モバイルDTVがいい例だ。
– 放送局の中には、モバイルDTVを諦め、インターネットで視聴者を捉える戦略に転換しているところもある。
– Univisionは、インターネット専用のコンテンツを作り配信している。昨年、iPhone、Andoroidアプリでフォローできるドラマも作った。
– ABCはいち早くiPad向けアプリを作った。サービス開始10日間で20万件以上ダウンロードされた。
– ハイパーローカルにターゲットを絞った放送局もいる。Raycom Mediaは60種類の小さなコミュニティ向けのウェブサイトを提供している。Fisherもしている。Gannetも10市場で行っている。
– あらゆる放送局が、ニュースをローカルコミュニティにリーチする手段として使っている。
– ローカル放送局のウェブサイトは、ローカル市場にとって人気のあるニュースソースだ。新聞社にはできない。
– ローカル放送局は、13億4千万ドルの売上をインターネットであげている。
– なかには、ニュース、報道に投資をしない放送局もある。ニューヨークの放送局28のうち、6局しかオリジナルのニュースコンテンツを制作していない。
– 経済的な理由であろうが、これは周波数政策を決めるのに、考慮しなければならない問題だ。

■  マストキャリールール

– 放送局にとって、マストキャリー規制でケーブル局や衛星放送から支払われる収入は経営上重要だ。
– この1年半、私はFCCによる介入を避け、自由市場による取引を推進してきた。
– FCCによる裁定を望む声も多かった。例えば、ケーブルテレビとの交渉が折り合わずワールドシリーズが見られなかったこともあった。再送信規定を改訂する必要があるのではという声もあった。
– 無料のテレビ放送に再送信料を支払うことが消費者に与えるインパクトとは何なのか?
– FCCは、この件に関し、この3月から協議を始めている。
– また、FCCは規制緩和し、放送局がブロードバンドにつながれているスマートフォンやタブレット端末へ容易にアクセスできるようにする。

■    ブロードバンドエコシステム

– アメリカは、ブロードバンドのエコシステムが必要だ。
– FCCの使命は、周波数を含めたコミュニケーションプラットフォームを最大に活用できる政策はなにかを明らかにすることだ。
– 2年前は、ブロードバンドについて語る人はあまりいなかった。いまでは、政党の枠を越え、ブロードバンドの整備は必要なものになっている。
– ブロードバンドは、教育、医療に必要不可欠だ。多くの人にとって、スマートフォンやインターネットが無い生活は考えられない。コンテンツクリエイターは世界最上のブロードバンドインフラにアクセスできないと競争できない。
– 実現には様々な障壁があるが、自由市場、競争に解決をまかせるのがいちばんだ。
– 電話普及を目的にする時代遅れなユニバーサルファンドを改訂することが我々の仕事だ。コミュニケーションインフラストラクチャのコスト、スピードを改善することも我々の仕事だ。そして、不足するであろうモバイルブロードバンドへ周波数を割り当てることも我々の仕事だ。
– 昨年のNABで、私は、周波数が不足するという話をした。
– スマートフォンは、フィーチャーフォンより周波数を24倍も必要とする。この5年でモバイルブロードバンドのデータトラフィックは、35倍に増える。しかも、この数字はタブレットが発売する前の予測だ。
– 今年タブレット端末は5500万台が販売され、350億ドル市場になると予測されている。
モバイルブロードバンドは、歴史上最速で拡大するコミュニケーションプラットフォームだ。消費者、企業は、混信など帯域不足に不満を持っている。周波数不足は、なくならない。
– 100社以上のリーディングカンパニーが、周波数が無ければ、アメリカの競争力は低下すると言っている。
– ブロードバンド整備よりも、やるべきことはたくさんある。
– 不要な規制を緩和し、モバイルブロードバンドに割当てるなどしている。ほかにも、使用されていない帯域を、スーパーWifiやM2M用に開放した。
– NTIAと協力し、政府が保有する不要な帯域を開放している。

■  ボランタリー・インセンティブ・オークション

– 周波数不足を解消する手段は、ボランタリー・インセンティブ・オークションだと考えている。
– 1993年から、オークションは市場競争原理を用い、最も効率のよい利用法に周波数を割り当てれると考えてきた。
– 総論は正しい。
– オークションは、500億ドル以上の収益を政府にもたらし、それ以上の投資を促進してきた。それは、消費者にとって安い価格とイノベーションも促した。
– 我々はモバイルブロードバンド向けの周波数がもっと必要だが、再割当をするのはとても困難である。
– ボランタリー・インセンティブ・オークションは、デマンドサイドではなくサプライサイドにまで対象を拡大した。周波数ライセンスを自発的に供給し利益を受け取る。
– インセンティブ・オークションの実施は、議会両院の議題だ。
– この1月、1兆ドル以上の売上を持つ2000社以上の企業が、ボランタリー・オークションの実施権限をFCCに与えるよう議会に要請した。
– 先週には、112名の経済学者などが、同じような要請をした。
– ボランタリー・インセンティブ・オークションは、少なくとも300億ドル以上の収益が上がるだろう。
– ボランタリー・インセンティブ・オークションは、放送局も含めウィン・ウィン・ウィンシチュエーションだ。
– 500局以上の放送局が、FCCとのボランタリー・インセンティブ・オークションについての会合に参加している。チャンネルシェアリングや、周波数の返還など多くの質問がされた。
– なかには、周波数不足はないなどというボランタリー・インセンティブ・オークションを不要とする議論もあるが、データを示されたことはなく、私は失望している。
– ボランタリー・インセンティブ・オークションがモバイルDTVの成功を阻害するという人もいる。放送局に割り当てられた294MHzから120MHz分がオークション対象になっても、頑丈な放送業界は生き残る。6MHz分を使う放送業界になんら変化はない。
– 時期尚早と言ったり、新たな放送方式への移行に反対する放送局もいるが、環境の変化は、そんなに待ってくれない。
– インセンティブ・オークションが都会にだけ有利だという人もいるがこれも誤解だ。
– オークションに参加する放送局もしないところもフェアに扱う。
– UHFからVHFへの移行もボランタリーだ。
– 放送局はこのオークションに参加することを強要されないのがボランタリーという意味。
– 放送市場の再編成(Realignment)
– オークション実施の遅れは、様々なところで弊害がでる。
– 海外の競争力ある国もモバイルブロードバンドの整備を急速に進めている。

4月13日 7時45分 NAB Show 2011

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