ロンドン五輪(2012)のメディア消費行動

イギリスOfcomが、ロンドン五輪のメディア消費行動についてレポートを出している。とりあえず、Key pointsだけ抄訳。

The London 2012 Olympic Games: media consumption, 18 December 2012

2004年北京五輪以来、オリンピックの試合を視聴できるデジタル環境が整備されている。ブロードバンド世帯普及率は60%伸び、76%に。英国民の39%はスマートフォンを保有し、10%がタブレット、ソーシャルネットワーキングに登録してる人は50%もいる。

BARBによれば、4歳以上の英国民のうち5,100万人以上がオリンピックを、3,100万人以上以上がパラリンピックを15分以上視聴した。ロンドン五輪は、英国史上最も視聴された番組となった。なかでも開会式と閉会式中継は、最も視聴者を集め、その数は2,700万人に達した。

2,860万人がデジタルインタラクティブTVチャンネルでオリンピック中継を視聴した。27チャンネルのうち3チャンネルは1,000万人以上が視聴。26チャンネルは100万人以上が視聴した。

Ofcom調査によれば、テレビはオリンピック中継を視聴するのに最も利用されたメディアである。英国民の78%がテレビを視聴した。

英国民52%が様々な機器でインターネット中継を視聴した。18-24歳に限ると64%が利用、25-34歳では66%が利用した。スマートフォン利用は全体では28%に留まったが、18-24歳では45%、そして25-34歳では48%だった。

タブレットを利用した人のうち23%が、高画質の画像と視聴体験がその理由だと答えた。ほか主だった理由は、32%がいつでもアクセスできることを理由に挙げ、視聴できる競技を選べるが21%だった。

スマートフォンを利用した人の35%が、いつでも視聴できる点をその理由に挙げた。27%が利便性、17%が即時性を挙げた。

Topsyによれば、大会開催中ロンドン五輪関連のツイートは1.5億回。ウサイン・ボルト、マイケル・フェルプス、スパイスガールズ、オリンピック、ロンドン、リオなどがよくツイートされた単語。

Ofcom調査によれば、英国とスペインが大会をフォローするのに最もケータイを利用した国民で、どちらも人口の28%がモバイルを利用した。ドイツが最低のモバイル利用率で18%だった。

p5

Figure1.1 連続15分以上、テレビのオリンピック中継を見た人数

2004年アテネ五輪   4,570万人
2008年北京五輪    4,120万人
2012年ロンドン五輪 5,190万人

p.11

2013年8月のiPlayer利用は、1.97億回。パソコンからの利用が1,000万回、タブレットが300万回、モバイルは500万回、それぞれ増加した。また、9月のiPlayer利用は1.98億回だった。

The Guardianの記事から

オリンピックの開催経費は900億ポンド

ODA(Olympic Delivery Authority)の収入:税金62.47億ポンド。25.37億ポンド(地方税、他団体、DCMS:Department for Culture, Media and Sport)
LOCOG:20億ポンド
スポンサー収入:7億ポンド

経費

オリンピック・パーク:18.22億ポンド
会場:オリンピック・スタジアム:4.28億ポンド、最安案件はバスケットボール・スタジアム400万ポンド
セキュリティ:5.33億ポンド、軍、警察など4.75億ポンド
大会後のオリンピック公園補修:2.96億ポンド

他報道記事から

LA Times August 11, 2012

11.8億ドル。9年前に米国の独占放送権。プラス制作費1億ドル。
2011年、NBCは2014-2020年までの4大会五輪放送権を44億ドル支払った。
NBCUはネットワークが6つ。
デジタル含めロンドン五輪の広告収入13億ドル。
30秒スポット90万ドル

Pew Research Lee Rainie

1,005人調査(600固定電話、405ケータイ。196人固定電話無し)
73%が五輪をテレビで見た。17%がデジタルで。12%がソーシャルメディアで。
18-29歳の31%が五輪中継をフェイスブックやツイッターで見たが、30-49歳は11%しかいない。
オンラインで試合結果をフォローしてる人の79%はテレビでも見てた。(デジタルはreplacementではなくsupplementである)
子供の70%は親と一緒にテレビを見てた。
10代の視聴者は北京と比較し、27%も増えた。 23%が日中ライブを見る。68%が夜録画を。

LA Times December 12, 2012

Kantar Media:
選挙とロンドン五輪が米国広告市場を18億ドルも成長させた。
2012年3Q:米国広告市場345億ドル 前年比7.1% 2012年1-9月 1,010億ドル、前年比3.8% NBCの広告収益は10億ドル。

■ IOCのソーシャルメディア関連コメント

IOCは広告や商業目的でなければ、選手のソーシャルメディアへの参加をサポートする。
会場内で撮影した画像もツイート可能。
動画は禁止。
会場外であれば、動画もOK。
選手村は選手と関係者の画像はOK。第3者の映り込みは禁止。
オリンピックマークは使用禁止。
オリンピックという言葉は利用可能。
olympicというドメインもダメ。
olympic.orgかlondon2012.comにリンクを貼るのを奨励。

参考

五輪の放映権

北京オリンピックとNBC

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