アルビン・トフラー、ハイジ・トフラー夫妻 – NAB 2008 –

・ 農業社会では、長老が大事にされた。なぜなら、将来は過去のコピーだったからだ

・ 将来を予測するために、旅をして、想像力を働かせている

アルビン・トフラー、ハイジ・トフラー夫妻

–  メディアはいままで、社会に大きな影響を与えてきた。しかし、今日はメディアが社会に与える影響ではなく、社会がメディアに与えるインパクトを話したい

–  今日メディアが被っている影響は、市民革命、産業革命にも匹敵するものだ

–  新聞は、3世紀前ちょうど産業革命が起こった頃に、始まった。マス工業化時代の幕開けである

–  19世紀までにアメリカの工場主たちは、’Industrial Dicipline’が必要だと訴えるようになった

–  当時の労働者は、農場から都市へやってきた若者で、工場で働く規律がわかっている者は少なかった

–  朝寝坊しても、農場ではあまり怒られない。しかし、工場に10分遅刻したら、生産ラインに立つ何百人のほかの労働者が何もできず、迷惑をかけてしまう

–  マス生産システムには、時間に正確にという生活概念が突然重要になった

–  そこで、こうした社会に合わせるために、学校教育が重要となった

–  時間割が整備され、何十人もの人が同じ時間帯に合わせて行動する学校は、工場のシュミレーションである

–  社会学者がよぶマス・ソサエティは、マス・トランポーテーションの整備により発展した

–  マス・ソサエティは、マス・メディアやマス・カルチャーが支えないと存続できない

  マス・メディアは、工業化社会を支える強力なツールとなった

–  現在は、第3の波の時代。第1の波は農業化社会、第2の波は工業化社会  

–  現在は、De-Massificationの時代だ。ライフスタイルもたくさんあるし、いろいろな家族構成があり、スポーツもたくさん種類があり、多様な職業が存在する

–  HomogeniotyからHemogeniotyに変化している

–  マス・プロダクションからニッチ・プロダクション、カスタムゼーションの時代だ

–  1980年に出した第3の波という本で、プロシューマー (Prosumer)という言葉を紹介した。プロダクションとコンサンプションの融合だ

–  昔は、写真館でプロに家族写真を撮ってもらい、写真館は、フィルムをコダックで現像してもらった。いまは、カメラがあり、プロシューマーである自分でできる。

- 血圧は、医者が測ったものだ。いまは、機械がある

- いままでサービスのユーザーだった人たちが、技術革新でプロデューサーになる。個人が生み出す、こうした価値は、経済学者は算定していない

- テレビも、ユーザーがシナリオを作り変えて、インターネットにアップロードしている

- このインターネット時代に、どんな社会がやってくるのか?メディアだけでなく、経済、文化あらゆるものに影響がある

21世紀の社会によーこそ

■ トフラー夫妻、デビッド・リールNAB会長の対談

Q. アメリカ人は、文化、経済、社会変化などの一部しか理解してないのではないか?アメリカ社会は、より結びつきが弱まっていくのではないか

アルビン・トフラー  我々は複雑化している。社会的にも政治的にも。過剰な複雑さ( Surplus Complexity)と呼んでいる。カーメーカーは、同じ車種で違うバージョンをいくつも出す。我々は、この複雑さとどう向き合うのか?

Q.どのように未来を予測するのか?

ハイジ・トフラー  我々はトレンドを見ていない。トレンドはいま起こっているうちは、よくわからない。あとから振り返るとわかるものだ。つまり、トレンドを追うことは、方向性を予測するにはよくない手法だ。そうではなく想像力を働かせようと、いつも努めている。旅行をし、いろいろなものを見て理解しようとしている

アルビン・トフラー  我々は、日常生活の変化が速くなっていることを感じている。私は、毎日ハイジと議論している。議論が理解をより深くしてくれる

ハイジ・トフラー   ニュースを読み、現場を見れば、変化が実感できる

アルビン・トフラー  1962年フォーチュンを辞めたあと、IBMは、社史を作りたがっていた。そこで、初めてコンピュータ産業、知的労働者の現場を知った。

ハイジ・トフラー  コピー機ができたとき、誰もその利用法を知らなかった。過去を知ると未来がわかることもある

Q. ビデオ・コミュニケーション世代の未来について、教えてください

アルビン・トフラー  ビジュアル活動とノン・ビジュアル活動の割合が変化するだろう。知的活動は、より映像化、ビジュアル化されている。それがどんな結果をもたらすか、私にはわからない 

ハイジ・トフラー  世代間ギャップの世代の期間がどんどん短くなっている。ティーン世代は、インターネット上で、友人とのインタラクティブなコミュニケーションからニュースを得る。彼らはテレビを見る必要がない。

Q. ニュースは読んでるが、必ずしも紙とは限らない

アルビン・トフラー  そのとおり。社会が変化している。そして、社会が変化すると価値観もかわる。たとえば、1万年続いた農業社会で、家族のなかで、誰がいちばん賢い人物とされていたか?をれは未来を予測できる人(フューチャリスト)だ。将来なにが起こるか?その時代、将来起こることは、過去に起こったことだ。過去に起こったことが同じように繰り返されるのが農業社会だ。だから、長生きしているお爺さんが一番賢い人だった。

次に、工業社会になると、パパが一番賢い人となる。お爺さんは、少し時代に取り残されている。社会の変化が速くなった。

そして、第3の波以降現代、誰がいちばん社会変化を感じとり、将来の姿を見通せるかというと、子供たちだ。

Q. 真実、尊敬などの価値観を共有できたのは今大人になっている世代だ。今の子供たちはどのような価値観で将来行動、社会はどのように変化するのだろうか?

アルビン・トフラー   テクノロジーは、より職業の選択肢を広げている

アルビン・トフラー  それはセカンド・エコノミー、もう一つの経済世界で、今のエコノミストも考えが及ばない世界だ。そこでは、価値創造活動は活発だが、価値を流通させるだけでは収益はあげられない。以前は、投資に対するリターンという判断基準があった。しかし、このセカンド・エコノミーには、判断基準もなく、富を生むシステムも不明瞭だ。その結果、多くの人は、このシステムに対し無関心だ。しかし、セカンド・エコノミーの規模は大きくなっている

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