ミドルマン排除の法則はテレビでも起きるか - Digital Hollywood Fall 2007 –

Television 2.0: Cable, Telco, Satellite, Broadband & Mobile Redefine the Future of Entertainment and Communications
2007.10.30 Los Angels
– Ryan O’Hara, President, TV Guide Network
– Steven Abraham, Global Leader, Media & Entertainment Practice, IBM Global Business Services
– Bruce Gersh, Senior Vice President, Business Development, ABC Entertainment & ABC Studios
– Peter O. Price, President and CEO, The National Academy of Television Arts & Sciences
– Aditya Kishore, Senior Analyst, Heavy Reading
– Shahid Khan, Partner, Interactive Broadband Consulting, LLC, Moderator

Q. タイムシフトについて

ABC   視聴者と広告主の両方にコンテンツを作っている。双方への取り組みを続ける必要がある。

TV Guide   トラディショナルなメディアが揺り動かされている。Veohのような例は、あっという間にタイムシフトがメインになりつつある。CATVすら100チャネル、ウェブで増え続ければナビゲーションの問題

ABC  コミュニティを視聴者間で作りたい。ダイレクトの関係がTV局の環境を変化させている

IBM   タイムシフトによってコンテンツが色々流れ、広告機会は増すことになる

NATA   TV業界にはサイロが沢山ある。プロフェッショナルの人がサイロ化していたが、いまや誰もが製作も流通もできる。「Describe Yourself」の時代。エミー賞でもブロードバンド・ドラマ賞を創設した。サイロを作って篭ってるプロフェッショナルに対し、誰でも戦えるようになって状況は複雑化している、しかし、インディペンデントでも戦えるようになっていて、表彰の対象にもしている。新聞社等も、自分でビデオを作って勝負している。

Q. 5年位前は今とは状況が違う。それを踏まえ2012年を予想すると?

Heavy Reading   Multi-Screenになっていく。Linear-TVは5年後もある程度の市場を持っている。

TV Guide   STBがLow Power Computerになり、重要度が増す。視聴者にとって、多様な選択肢ができる。TVに飽きたら、ネットにそのままアクセスする、など。

ABC   視聴者の行動に沿って、テクノロジーが発達する。UGCがどんどん進み、ストライキが起きる。

IBM   モバイルとHDが来る。日本や韓国を見ると分かる。SNSは、特定の層に流行しているわけではない。すべての層に使われている。

NATA   消費者は、技術には関心はない。Lean Back(TV)かLean Forward(PC)か、有料か無料かを気にする。視聴は多様化しているが、ヒスパニック向けの放送局では、家族でTVを見るような場面がいまだに出てくる。本質的なところは変わらない。

Q. Tivoがない時のTV。タイムシフトがないとしたら。

ABC   TVの視聴者は40代、ABC.comは20代。メディアによって層が違うから、コンテンツも変えている。Launch Multi-Platformにして、色々なメディアにブリッジをかける戦略が大事。携帯が重要に。TVは基本的に受身で見るもの。PCや携帯で、同じブランドでどう提供内容を変えるのかが大事だ。

Q. UGCは、素晴らしいものは少ない。

ABC   オープンに考えている。日曜の夜の番組のサイトで募集もしている。ただし、主体は当然プロ・コンテンツ。

NATA   MySpaceは、UGMのコンテストをやっている。スカラシップで育成もしている。ネット上のネットワークでコンテンツを広めようとしている。MySpaceユーザの50%以上は30歳以上。ネット・コミュニティにおいても、多様な世代が集い融合している。TVディレクターの経験のある人もコミュニティの中にはおり、その経験を生かして、ショート・フォームのフィルムだけでなく、長いものも出てくる。

TV Guide   ナビゲーションと検索が大事。レコメンド機能やスクロール等のインタフェースを強化。

Heavy Reading   ビジネスモデルの観点では、UGMの測定の仕方が大事。広告収入につなげる上で。

Q. 誰もコンテンツを作って流すようになると、ディストリビューターが排除されるのでは?

Heavy Reading   コントロールしなければならないポイント。上手く立ち回る必要がある。コムキャストはスタジオになりつつある。パイプだけじゃダメだと考え、製作に乗り出している。

TV Guide   YouTubeも最近はプログラミングをやっている。ディストリビューターは自社のブランドマーケティングをする必要がある。ABC.com限定で特定のスポンサーをつけるようなやり方でなくて、Multi-Platformでやるべき。

NATA   デジタル・メディアを活用しなければならない。視聴者は、コンシューマである前に市民だ。一方通行のコンテンツに将来はなくなる。これからは、Social Recommend Entertainmentだ。ブロードバンドが普及すれば、エラいことになる。YouTubeだけではなくなる。

ABC   番組のライセンスは、通信事業者には与えていない。Cliffがある。通信事業者がどれだけオーディエンスを確保できるのか。制作費が掛かっていることを考慮しなければいけない。

参考 ロックメディア 第23回 Over-the-Top 2 減るケーブル、増えるHulu、どっちでも儲かるハリウッド

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